遺品整理はしなくてはいけないものですか?
北海道の室蘭市にある実家は母が亡くなってからそのままの状態です。年に数回、現在東京に住んでいる私と姉が帰省し、誰もいない家に泊まっています。周りに親戚もいませんし、誰かに管理してもらっているわけではありません。しかし、思い出の多い実家を手放すのは忍びなく、北海道へ帰省する理由を持つためにもこの家を維持しようと話しています。少女趣味と言う言葉がぴったりな母の好みが詰まった家で、何かを処分しようと思えませんでした。友人からは遺品整理することが故人を忍ぶことになると聞くのですが、そうなのでしょうか?故人の残した品物をそのままにしておくのはよくないのでしょうか? |
相続に関する手続きが必要な場合は取り掛かる必要性があるでしょう
遺品整理は故人を忍ぶ供養の一つとされています。故人が残したお品を整理することでご遺族の気持ちに区切りをつけ、これからの人生を前向きに生きていくものと考えられています。賃貸物件でなければ退室を急ぐこともなく、お住いの名義が故人でなければ物理的に時期が迫ることもないでしょう。ただ、故人の遺書などで財産に対する相続手続きが必要な場合は相続税の手続きに提出期限が定められているものがあるため、早めに取り掛かる必要があります。不動産や車両、貴金属、預貯金などがこれに当たります。更に懸念事項としては、空家をそのままにしていると建物の劣化や火災などのトラブルが発生することがあり、ご近所へ迷惑をかけてしまう場合もあります。お住いの状況によりますが、将来的なことも考えておくに越したことはありません。 日本には昔から「モノには魂が宿る」と言う考えがあり、故人が残したモノを故人そのものと感じる人は少なくありません。遺品整理を行わずそれまでと同じように生活されている方もいますし、遺品を処分される方もいます。決まりがある訳ではありません。 遺品整理を“供養”の一つとするのは、故人の幸せを願う儀式であり、故人を尊重することでもあるからです。故人との最後のお別れの儀式とも言えるでしょう。 |